門之助よりメッセージ

初春を寿ぎ謹んでお慶びを申し上げます。本年も何卒お引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。

この度、ハワイ州立大学マノア校演劇学部の授業を担当させていただくことなりました。英語による歌舞伎を指導するハワイ大学の演劇学部の授業は評価 も高く非常に本格的な内容です。通常は1年間かけて一つの演目を学んだ学生たちが総仕上げとして、大学内のケネディーシアターにて上演します。しかし今回 は初めての試みとしてケネディーシアターでの上演後、学生たちが来日し、日本でその芝居を披露することを最終目標としています。

イエッツイー教授と共に温めてきた夢がついに叶うこと、とても幸せに思っております。またハワイ大学とは家族共々個人的にご縁が深く、この度このよ うな形で大学の教育に参加できますことは同大学及びイエッツイー教授との家族レベルの強い繋がりがあってこそと考えております。

ところでかつてハワイには歌舞伎を上演する芝居小屋があったことをご存知でしょうか?

150年前に初めてハワイへ渡った日本人入植者たちとともに現地に根付いた歌舞伎は、いつしか青々と茂る樹木となりました。その後、歌舞伎は日本とハワイがたどった様々な歴史の中でもたくましく生き続け、2021年に里帰り公演として日本で上演することを目指すまでになりました。日本人の魂ともいうべき歌舞伎をハワイの人たちがここまで育ててくれた温かさに 私も微力ながら恩返ししたいと考え、その機会を与えていただけたことを非常に光栄に思っております。そしてこれをきっかけにハワイの方たちにとって再び歌舞伎がより身近な存在となることを望んでおります。

ハワイ大学内にあるジョン・F・ケネディーシアター
門之助とジュリー・イエッツィー教授